2010年11月3日水曜日

♯221 バッシング(映画)




2005年 日本
監督 小林政広
出演 占部房子、田中隆三、香川照之、大塚寧々ほか


あらすじ
「井有子(占部房子)は中東の国でボランティア活動をしていた際、
武装グループに拉致監禁されたが無事解放され帰国する。
北海道に戻ってからも彼女は毎日“世間”から激しいバッシングを受け、
ある日突然アルバイト先のホテルの支配人(香川照之)
にもクビを宣告される。ついには父親(田中隆三)まで
勤務先に退職を強要され……。」


かつて起きた日本人人質事件を基に描かれた作品だそうで、
実際のところはわからないが、
バッシングとは、自己責任とは、
ということを痛烈に投げかける社会派的作品。

よかれと思ってやった自分の行動が、
バッシングの的となる。
その手前にはおそらく報道がなされ、
われわれに、その行動について、
善か悪かの2択を求める。
その果てが、これである。

バッシングの被害は、その個人にとどまらない。
無論、その家族にまで被害は伝播し、
収入の糧をなくし、絶望へと暮れる。

ひたすら、落としに落とされる作品であった。
ラストというか、ハッキリとした答えを示さない、
というか説明を極力減らした展開であるだけに、
色々なものを投げかけられていた気がする。

必ずしも選択肢は2つ、2極ではない。
思い描いたものを達成できても、
世の受け止め方は、様々であり、簡単に操作し得る。
かといって何も信じない、ということも、
私にとっては愚にしか思えない。

そういった深く何かをえぐられた感覚が、
この作品を見終えた後、残った。

予告編




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