
スコーレNo.4 [著]宮下奈都(2007)
お疲れ様です。
日々暇をもてあそぶ私の友として、
うーん、読書はかかせません。。
そんな中で一冊今回チョイスいたしますのは、
「スコーレNo.4」です。
書店員の企みからスマッシュヒットを記録した、
というエピソードがあります。
あらすじ
「自由奔放な妹・七葉に比べて自分は
平凡だと思っている女の子・津川麻子。
そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して
4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。
そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分の
いちばん大切なものとは…。ひとりの女性が悩み苦しみながらも
成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。」
淡々とした僕の日常に舞い降りたこの1冊の中に含まれる、
それこそ淡々と進められていくこのストーリーは、
淡々としながらも実に力強さがにじみ出ている。
4つのスコーレ、つまり本作は4つの章に渡り、
物語は一直線につながっていくわけだが、
幼き頃から常に輝かしかった妹。
自分には光るモノがなにもない、
という妹へのコンプレックスのようなものが、
次第に生まれ、七葉なら・・・七葉なら・・・、
気づけば比較対象に妹をあげている。
働くことで、自分の光る何かを見出しすことができた。
働くことで、好きな人ができた。価値観が変わった。
本作において、彼女を大きく動かしたポイントは、
「仕事」であろう。
様々な出会い。出会いとは、人だけではない。
商品、仕事の方法論、などと気づけば、
色んな事を自分は身につけ、出会ったんだなぁ、と。
ふと、帰省する。
三姉妹で過ごす久しぶりの時間。
輝かしかった妹・七葉。
今となっては七葉も七葉。
自分と同じように、悩み、遠回りをし、
そう、彼女だって普通の女の子であった。
そう気づいた時には、どこか余裕がうかがえた。
とはいえど、妹の存在なしに彼女のここまでの人生は、
語ることができないであろう。
比較対象とはいえど、いつもそばに居てくれたのだ。
そんな淡々と平平凡凡ながら心をスッとさせてくれる良作であった。
自分自身に置き換えてみよう。
いつもそばに居てくれる存在ってありますか?
改めて考えてみると、いるものですよね。
それが別に何人いるかは人それぞれだ。
逆にあなたがいわゆるその「存在」となっている、
ということだって有り得るわけであり、
決してそれはいつも助けてくれるわけではないけれど、
それは時には障壁となる(思う)ときもあるかもしれないけど、
成長過程において、なくてはならない存在だったわけだ。
生きる上で、いつしか道に迷うことがある。
災難がふりかかるかもしれない。悲しい、寂しい。
それも、自分だけの感情じゃない、
そう感じ、少しは楽になろう。
そして、そんな身近な人がいたら、
救いの手を差しのべてあげると、良いだろう。
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